空間物語・昭和のこどもたち
遺伝子が解読され、宇宙の始まりが明らかになり、「生命」の概念までも変わりつつある時代・・それが現在です。
38億年生命進化の最先端を生きる私たちは今また更なる壮大な根本変動のまっただ中に在ります。
人間とはなにか。普遍とはなにか。
戦後日本に生まれ、生物として自由で開放的な時代の空気を記憶する昭和のこどもたちがここから人類の永遠の願いを発信します。
原点回帰・昭和のこどもたち
そして僕らは伝説になる
国破れて千万の赤ん坊が生まれた
奇跡の命たちは大きな魂となって
復興に向かう大人たちを
つぶらな瞳で励ました

飢えも戦争もない
自由で開放的な空気の下
群れ育つこともたちの旺盛な好奇心は
やがてこども史上稀にみる
独自のこども文化を開放させた
その圧倒的なエネルギーは
懸命に生きる大人たちに安らぎと希望を与え
なにより明るい未来を予感させた

こどもたちの黄金期は昭和三十年代まで続き
いつしか平和な社会の申し子となった
【昭和のこどもたち】人形展 第1部 ふるさと
昭和のこどもたち人形展第1部ふるさと
そこに還れば
もの言わぬ父がいる
優しかった母がいる
兄ちゃんや姉ちゃん、
幼かった妹や弟
友だちもみんないっしょだ

貧しかったけど
探し求めた大切なものは
みんなそこにあった
【昭和のこどもたち】人形展 第2部 海の人
昭和のこどもたち人形展第2部海の人
やがて生まれ来たる命たちへ

昭和のこどもたちの伝説を
君たちに贈ろう
闇をくぐってやって来るまっさらな命たちが
この世で迷子にならないように
人間社会の苦悩の中に産み落とされる
それぞれの命が
いつかなつかしい未来にたどりつく
みちしるべとなるように
昭和のこどもたち魂の仕事
奇しくも昭和天皇が崩御され、年号が平成に変わったその年「昭和のこどもたち」人形制作に着手しました。
当時 幼い我が子を取り巻く環境は、自分の子供の頃とは隔世の感がありました。
この数百年を一気に縮めたような根本変動を言葉で言っても伝わらないもどかしさを、
人形で「お父さん、お母さんの子供の頃はね。」と一目瞭然のものとして伝えたかったのです。
そうしていつの間にか、この世にはいない人たちをモデルにたくさんの人形が生まれました。
その豊かな表情は作者のわたしを飛び越えて、見る人たちのそれぞれの想いに語りかけます。
親から子に伝えたい想いはいつしか 「人間とはなにか。普遍とはなにか。」という素朴な問いに変わりました。
科学技術が進歩し、命の誕生の概念さえ変えてロボットが人間の未来さえも掌握する勢いで進化しています。
無機的な世界に生まれて来る次の人たちに、人間の内面の強さ豊かさを伝えるのがこの仕事の使命と考えるようになりました。人形は木質(桐塑)で、表面を天然の膠や岩絵の具などで仕上げているため、永い耐久性をを持ちます。
2016年現在、昭和のこどもたち人形は第1部【ふるさと】第2部【海の人】、64タイトル、全332体で構成されるスケールの大きな世界に成長し、この度完成しました。
石井美千子
強くたくましく輝け命

ページトップへ