昭和のこどもたち展示会情報
メンコ
ゲームではなく真剣勝負だった。
家は貧乏で、メンコを買う金はないから負けられない。

ひっくり返されないために、お堂の祭壇から失敬してきたろうそくをこすりつけた。
光沢と重量が増すのだ。角も微妙に折り曲げた。
いざ勝負の時は、袖口の広い服を着て風を巧みに利用した。

みんな必死で腕を磨いた。弱い子はいつも負けてベソをかいていた。
時には親が怒って出てくることもあった。取るか取られるか。
賭博性の強いこの遊びは日本中の男の子を虜にした。